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8 思いやり |
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286 |
貧乏していた時、 |
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「金光様、 |
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273 |
真の信心する人を見よ。 |
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仕事は人の倍くらいもしますが貧乏で困ります」 |
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慈悲深くするから、 |
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と申しあげたら、 |
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おかげで無病息災、 |
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「それで貧乏ということはあるまい」 |
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諸事よいことが子孫へ続く。 |
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と言われた。 |
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信心する人は慈悲深くして、 |
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「でも、お金が残りませんから貧乏に相違ありません」 |
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真の信心をするがよい。 |
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と申したら、 |
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「それは、どこかに無駄があるであろう。 |
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274 |
金光様は、 |
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招かれて行くのに、 |
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「日に日に悪い心を持つなよ。 |
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先にお茶づけを食べて行くようなことをしてはならない。 |
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人に悪いことを言われても、 |
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ごちそうをいただく時には十分にいただき、 |
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根に持ってはいけない」 |
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ごちそうをする時には十分にしなければならない。 |
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と言いぬいておられた。 |
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一円の無駄をすれば十円の罰をこうむる。 |
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私が |
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それは天地が許さないからである。 |
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「それでも、向こうが悪い心を持って来れば悪い心になります」 |
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百円の無駄は何でもないと思うであろうが、 |
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と申したら、 |
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千円の罰をこうむるから貧乏をする。 |
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「それでも、悪い心を持ってはいけない。 |
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無駄をしないようにすれば出世もできる」 |
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よい心を持っているようにせよ」 |
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と仰せられた。 |
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と仰せられた。 |
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287 |
金光様に、 |
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275 |
人にはできるだけのことをしてあげ、 |
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「私は長い間信心させてもらっていますが、 |
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人に物をあげたくてしかたがないという心を持ち、 |
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貧乏で困ります」 |
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自分だけよいことをしたいというような心を持つな。 |
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と申しあげたら、 |
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「貧乏といって、 |
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276 |
どんな物でも、 |
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食べない時があるか」 |
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よい物は人に融通してあげれば人が喜ぶ。 |
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とおたずねになった。 |
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それで徳を受ける。 |
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「いや、食べられないことはありません」 |
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人に物をあげる時でも、 |
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と申しあげたら、 |
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自分によい物を残しておくようなことではいけない。 |
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「いくら金や物を積み重ねていても、 |
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たとえ前かけ一枚でも、 |
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食べられないことがあってはどうにもなるまい。 |
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よい方をあげ、 |
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健康でご飯が食べられれば、 |
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悪い方を自分が使うようにせよ。 |
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それが金持ちと同じではないか」 |
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と仰せられた。 |
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277 |
信心する者は犬や猫にまで憎まれないようにせよ。 |
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また、犬や猫にまでも敵をつくるな。 |
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288 |
金を人に貸し、 |
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催促して相手を破産させたりするより、 |
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278 |
ある年の夏にお広前にお参りすると、 |
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神にくり合わせを願ってあげよ。 |
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山蟻が何匹となくご神前の方へ這って行くので、 |
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払ってもらって喜び、 |
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お供え物にでもついてはならないと思い、 |
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払って喜ぶようになれ。 |
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「金光様、蟻がたくさんまいります」 |
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と申しあげると、 |
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289 |
人から出る日給はわかっても、 |
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「はい、蟻も参詣いたします。 |
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神から出る日給はわかるまい。 |
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参詣すると、 |
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おかげをいただきます」 |
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と言われただけで見向きもされなかった。 |
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3 食事 |
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279 |
「苗代にひきがえるが入って卵を産んで困ります」 |
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290 |
食物はみな、 |
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と願う者に対して、 |
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人の命のために天地の神が造り与えてくださるものである。 |
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金光様は、 |
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「よそでは封じると言うが、 |
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291 |
何を飲むにも食べるにも、 |
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うちでは封じない。 |
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ありがたくいただく心を忘れるな。 |
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かえるに、 |
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あぜで遊んでもらうようにすればよい。 |
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292 |
食物を粗末にするくらいもったいないことはない。 |
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うちの田に入らないようにすれば、 |
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食べられるまでにするには、 |
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よその田に入るから」 |
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容易でない。 |
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と教えられた。 |
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それなのに食べ物を捨てたり粗末にするのは、 |
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神のお恵みと人の骨折りとを粗末にしているのである。 |
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第三節 信心と生活 |
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293 |
食物は、 |
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わが心で毒にも薬にもなるものである。 |
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1 仕事 |
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294 |
人間は食べ物でできているのであるから、 |
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280 |
神のおかげで生きていられる人間は、 |
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物を食べなければすぐにやせる。 |
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日々神のご用を勤めなければならない。 |
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病気になると、 |
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毎日勤める家業は信心の行であるから、 |
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欲しい物が食べれないので困る。 |
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家業をありがたく勤めれば、 |
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その時、 |
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日々ありがたいおかげが受けられる。 |
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不自由を行と思い、 |
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物を不足に思わないで、 |
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281 |
重い物を背負っている 担いでいれば苦しいが、 |
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万事、 |
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そうではないから信心は楽である。 |
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神を一心に頼み、 |
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家業を勤めながら信心をせよ。 |
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万物をありがたくいただく心を磨いていると、 |
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早くおかげが受けられる。 |
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282 |
商売するというから神は見ている。 |
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商売させていただくという心になれば、 |
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295 |
大酒大食は絶食のもとになる。 |
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神はつきまとってさせてやる。 |
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296 |
好きな食べ物は身の薬であるから、 |
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283 |
農業するには、 |
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せいぜいいただくがよい。 |
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もみを水につける時、 |
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けれども、 |
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もみをつけさせてくださいと願い、 |
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食べ過ぎると体に障る。 |
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苗代へまく時は、 |
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それで腹八分目という例えもある。 |
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天地金乃神へ、 |
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茶わんに八分目水を入れて持ってみよ。 |
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あなたのお土地にまかせてくださいと願え。 |
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少し走ってもこぼれはしまい。 |
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また、苗の生長と、病気、 |
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そういう物の道理である。 |
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害虫のお取り払いを願え。 |
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好きな物を食べて、 |
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田植えには、 |
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もうよいと思ってから、 |
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苗を三把ほど神に供えて、 |
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また一杯飲めば一杯だけ、 |
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今から早稲植えをさせてくださいと言って願え。 |
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一膳たべれば一膳だけ神に無礼になる。 |
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供えた苗をお土地に植えて、 |
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根つき、生長を願え。 |
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297 |
食事をする時に、 |
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また、害虫、病気のないように、 |
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このくらいでよいと思う時が、 |
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先では豊作をいただかせてくださてと願え。 |
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天地の親神のご分霊が分限を定められる時である。 |
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そのほかの作物を植えつける時も同じように願え。 |
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それが体に合う量である。 |
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よくよく心得て、 |
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それを、 |
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天地のお徳をいただくがよい。 |
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もう一杯、また一杯と、 |
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我食い、我飲みして病気になる人もあるが、 |
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これは神に対して無礼ではないか。 |
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2 財 |
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また、食べ過ぎ飲み過ぎして、 |
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嘔吐をする者もあるが、 |
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284 |
我を放せば神になるというが、 |
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これもよくない。 |
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人間は、 |
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信心する人は神の守りを心にかけており、 |
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生きている間は健康繁盛を願い、 |
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万事不都合のないようにするのが信心である。 |
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農家が五穀成就を願い、 |
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飲食も無理に強いるのは親切ではない。 |
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商売人が商売繁盛を願うのは当たり前の欲である。 |
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国のため、人の身のため、 |
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我を放さなければならないといって、 |
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わが身の上も思い、 |
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商売人が損をしたり農家が穀物を取らなかったり、 |
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万物を粗末にしないような、 |
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人間が早死にをしたりしたら国はもたない。 |
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真の信心をするがよい。 |
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285 |
一年で金持ちになるような心になるな。 |
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先は長い、 |
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少しずつためたのは、尽きることはない、 |
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一時に殖やしたのはなくなりやすい。 |
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信心する者は、 |
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我欲なことをしてはならかい。 |
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ぬれ手で粟のつかみ取りの気を持つな。 |
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人より一年遅れて金持ちになる気でおれ。 |
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