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59 |
みな、神の分け御霊を授けてもらい、 |
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第二章 人間の難儀 |
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肉体を与えてもらって、 |
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この世へ生まれて来ている。 |
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第一節 神への無礼 |
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そうしてみれば、この世を去るのに苦痛難儀をするのは、 |
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人間の心からのことである。 |
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人間は、天地の間に生きておりながら、 |
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神からお授けくださった体がこの世を去る時、 |
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そのおかげを知らない。 |
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痛いかゆいがないよう、 |
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神仏の宮寺も人間の家屋敷も、 |
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ただ年病みのゆえというように長生きをし、 |
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みな神の地所である。 |
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孫子まで見て、安心して死ぬのが、 |
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そのわけを知らないで、 |
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神の分け御霊をいただいている者のすることである。 |
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方角日柄ばかり見て、無礼をし、 |
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金光大神の教えを守れば、 |
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前々からの巡り合わせで難を受けている。 |
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末を楽しみ、安心してこの世を去ることができるから、 |
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若い時に信心して元気に働いておいて、 |
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今は学問の世の中で、 |
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そのようなおかげを受けるがよい。 |
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理屈はよく言うようになったけれども、 |
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天地と神との恩義をしだいに知らないようになったから、 |
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死ぬ用意をするな。 |
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難儀がしだいに多くなっている。 |
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生きる用意をせよ。 |
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死んだら土になるのみ。 |
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今は人代といって、 |
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わが力で何事もしている。 |
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寿命のない者にも寿命をお授けくださる。 |
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神が知らせてやることにそむく者がある。 |
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それなのに、中には、 |
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神の教えどおりにする者は神になる。 |
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死ねばくつろげるのにお迎えが来ないなどと、 |
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昔は神代といい、今は人代である。 |
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わが身から覚悟をし、命を縮めるようなことを言う。 |
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愚かなことではないか。 |
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73 |
この大地もその他の物も、みな神の物であるのに、 |
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死ななければくつろげないくらいの人なら、 |
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わが物である、わが金ですると思い、 |
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死後も安楽はおぼつかない。 |
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神にお願いしないでするから、 |
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叱られるのは無理もない。 |
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62 |
金光様に、 |
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家を建てるにも、神にお願いして、 |
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「世間では、死んだ後に地獄へ行くとか極楽へ行くとか、 |
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神のお土地をお借りし、 |
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いろいろに申しますが、いったい、 |
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今までの無礼をおわびして建てればさしつかえない。 |
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人間は死んだ後どこへ行くのでしょうか」 |
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とお伺いしたら、 |
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74 |
人間は勝手なものである。 |
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「金光大神もまだ修行中で、死んだ後のことまではわからないが、 |
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生まれる時には日柄の良し悪しも |
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この世に生きて働いている間に、 |
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何も言わないで出て来ていながら、 |
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日々安心して正しい道さえ踏んでいれば、 |
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真ん中の時だけ何のかのと勝手なことを言って、 |
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死んだ後のことは心配をしなくてもよい」 |
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死ぬ時には日柄も何も言わないで |
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と仰せられた。 |
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駆けっていってしまう。 |
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「金光様、宗教がたくさんあっていろいろの教えがあります、 |
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人を殺さないと言っても、 |
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死んだら、魂はいろいろに分かれるのでしょうか」 |
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心で人を殺すのが重大な罪である。 |
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と伺った、金光様は、 |
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人を鉄砲でうったり、刀で切ったりしなければ、 |
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「そういうことはありはしない。 |
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私は人を殺してはいないと言うが、 |
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死んだ者のの魂は、天地の間にふうふうと、 |
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それは目に見える。 |
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ぶよが飛ぶように遊んでいるので、 |
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目に見えない心で人を殺すことが多い。 |
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どこへ行くものでもない。 |
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それが神の心にかなわないことになる。 |
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わが家の内の霊舎にいるし、 |
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目に見えて殺すのは、お上があってそれぞれの仕置きにあうが、 |
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わが墓所に体をうずめていることからすれば、 |
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心で殺すのは神がおとがめになる。 |
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墓所と霊舎とで遊んでいるのである。 |
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心で殺すとは、病人でも、 |
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この世で生きている間に、 |
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これは大病でとても助からないなどと言うが、 |
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人に悪いことをしたり、 |
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これが心で殺すことになる。 |
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神のみ心にかなわないことをしたりすると、 |
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人間の心では、助かるか助からないか、 |
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死んでからでも、 |
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わかりはしないであろう。 |
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魂は神のおとがめを受けるのである」 |
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また、あの人は死ねばよいと言ったりする。 |
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と仰せられた。 |
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それがみな心で殺すのである。 |
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そうではなく、どうぞ向こうが改心しますようにと、 |
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神に祈念してあげよ。 |
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64 |
先祖代々からのご無礼があっても、 |
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食べる物の初穂を供えて、 |
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お断りを言えば許してくださる。 |
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第二節 難儀のもと |
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道の立たない御霊でも、 |
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願えば道を立ててくださる。 |
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人の心は移り変わりやすいものである。 |
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何事も失態のないように、成就するようにと、 |
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人を頼りにするから、 |
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天地金乃神にすがればよい。 |
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腹を立てたり物事を苦にしたりすることになる。 |
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人に向かう心を神に向けよ。 |
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65 |
死ぬというのは、みな神のもとへ帰るのである。 |
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神は、願えば何でも聞き届けてくださる。 |
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魂は生き通しであるが、体は死ぬ。 |
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体は地から生じて、もとの地に帰るが、 |
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77 |
人間が利口過ぎると、 |
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魂は天から授けられて、また天へ帰るのである。 |
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せっかくこうむかっているおかげを取りはずすことがある。 |
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死ぬというのは、魂と体とが分かれることである。 |
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知恵が走り過ぎて、 |
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神の上を行くからであろう。 |
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金光大神が、 |
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「死ぬことはどういうものでありましょうか」 |
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78 |
勝手な欲を出すな。 |
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と神におたずねしたところ。 |
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勝手なことをしてはいけない。 |
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「死ぬのは寝入っているのと同様である。 |
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みな我欲なことをするから、困ることになる。 |
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死ぬことをいとうな」 |
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と仰せられた。 |
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79 |
世の中で一番汚いのは欲である。 |
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若死にすると、みな嘆いて心を苦しめるが、 |
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80 |
用心せよ。 |
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稲にも、早稲、中手、晩稲とあるようなもので、 |
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わが心の鬼がわが身を責める。 |
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早く死んでも、子供ができてから死ぬのは、 |
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早稲のようなものである。 |
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81 |
金光大神が天地金乃神からおかげを受けていることを |
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まだ子のないのに死ぬのは、 |
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話にして聞かせるのである。 |
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実らない白穂になったのと同じである。 |
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疑って聞かない者はしかたがない。 |
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死ぬということは、もみを臼でひいた時、 |
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かわいいものである。 |
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殻と実とが分かれるようなものである。 |
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また時を待っておかげを受けるがよい。 |
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時が来れば魂と体とが分かれるのである。 |
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めいめいに子をもって納得せよ。 |
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親の言うことを聞かない子が一番つまらない。 |
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68 |
人間は生き通しが大切である。 |
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言うことを聞かない子は、 |
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生き通しとは、死んでから後、 |
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親もしかたがなかろう。 |
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人が拝んでくれるようになることである。 |
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世の中で疑いが一番悪い。 |
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人間は万物の霊長であるから、 |
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神に任せて、一心に信心せよ。 |
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死んだ後、神にまつられ、 |
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任せたうえは、神がよいようにしてやる。 |
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神になることを楽しみに信心せよ。 |
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疑いを放すという心一つで、 |
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おかげをいただくのである。 |
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83 |
信心していても、おかげが遅い、 |
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まだかまだかと思ってうろたえて、 |
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真の心が大事であるということを知らない。 |
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神にお頼みして、一週間たっても治らなければ、 |
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まだ治らない、おかげはないと言って神を恨む。 |
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三年、五年、医者にかかり薬をのんで、 |
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まだ治らなくても、 |
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医者には不足を言わないで、 |
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また頼みすがっていく。 |
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神はお気の毒なものである。 |
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